パニック


少し、パニコの過去の話をしたいと思う。

パニコがパニック障害になったのは、20代半ばの頃であった。

当時、パニコは(柄にもなく)ダンサーとして仕事をしていた。
そう、華やかな世界を夢見る若者だったのだ(笑)

しかし、パニコの性格は決して華やかではなく、むしろ引っ込み思案で真面目なタイプだった。
きっと、そんな自分への反発だったのだろう(汗)
若かったパニコは、自分の殻を打ち破りたくて、ダンスの世界に飛び込んだのだ。



がんばり過ぎてパニックに…


当時、仕事自体はとても楽しかった。
憧れの仕事ができることがとても嬉しくて、パニコは精いっぱい頑張りたいと、はりきっていた。

しかし、その結果、がんばり過ぎてしまったのだ(汗)

ダンスのステージからはけた後、舞台袖で過呼吸に襲われることが数回続いた。

それをきっかけに、次第に、普段の何でもない時にも、不安と動悸、そしてパニック症状に襲われるようになってしまったのだった。


パニックの直接的原因は、体力的なものだったかもしれない。
しかし、考えてみれば、パニコの性格的な要素も、パニック障害に繋がる部分があったのだろうと、今となっては思うのだ。

それは、次の2つの性格である。

・我慢強い
・感情に呑み込まれやすい


これらの性格、つまり「心の癖」が環境要因と重なり、パニック障害に至ってしまったのではないかと、パニコは個人的に考えている。



パニックになりやすい「心の癖」①:我慢強さ


まず、ひとつ目の要因は、「我慢強さ」である。

パニコは、幼少期から我慢強く、がんばり屋な性格だった。
「我慢強い」とか「がんばり屋」と言えば、どちらかと言うと良い印象を受けるかもしれない。

なぜなら私たちは、多くの場合、何か我慢できたり、がんばったりすると、大人に褒められて育ってきたからだ。

なんとなく、「我慢できる子、がんばれる子は良い子」というイメージがある。

パニコもそう思っていた。
だから、良い子だと思われたくて、大人に褒められたくて、我慢すること、がんばることが癖になっていった。
いわゆる「良い子ちゃん症候群」だ。

しかし、それにより、知らず知らず「自分を抑圧する」ことも、癖づいてしまっていたのである。

多少の我慢や頑張りは必要な時もあるが、それには限界がある。
自分を抑圧した分だけ、心身は緊張し、ストレスが蓄積されていくのだ。

ストレスを処理しない限り、いつかは容量オーバーになり、一気に溢れてしまうだろう。

ストレスゲージ

パニコは、ずっとストレス処理できないまま、我慢やがんばることを続けてしまったのである。
むしろ、がんばれば何とかなるとさえ思っていたのだ(汗)

その結果、あの頃限界に達したストレス(心の抑圧)が、パニックという形で現われたのだろう。




パニックになりやすい「心の癖」②:感情に呑み込まれやすい

もうひとつの要因は、「感情に呑み込まれやすい」性格である。

パニックの最初の原因は体力的なものだったが、その後はほとんど「予期不安」から引き起こされるものだった。
「予期不安」とは、「また苦しくなるのでは?」という不安感のことである。

つまり、実際には何も起きていないけれど、環境と苦しかった体験が結びついて、勝手に苦しみを生み出しているのだ。ということは、事件は現場ではなく自分の中で起こっているということなのだ(汗)

感情に呑まれやすい

「不安」とは、「まだ起こってもないことを恐れる」感情である。
それなのに、この感情はとてつもなく手強い(汗)

一度不安になり、「怖い」「また苦しくなる」という思いが生じると、一気にその感情に呑み込まれてしまう。
不安に思うほど、その不安はどんどん増幅するのだ。
(後にパニコは、この不安感を「妖怪ふ~あん」と呼ぶことにした。)

これがパニコの心の悪い癖だったのだ。
感情に呑み込まれやすい。言いかえれば、思い込みが激しいとも言える(汗)

不安な感情が発生すると(不安だけに限らないが)、心がそれ一色になり、支配されてしまうのだ。
こうなれば、冷静さを一切失い、パニックまっしぐらである(笑)

しかし、当時のパニコは、それをコントロールする方法を知らなかった。
というか、感情をコントロールできるものだとも思っていなかったのだ。

だから、ずっと自分の感情に溺れながら生きていたのである。



パニック障害の原因は、きっと人それぞれだと思うが、パニコの場合は、環境要因に加え、こうした性格的要素(心の癖)も絡んでいたのだろうと思う。

しかし、パニックをきっかけに、自分の心の癖に気づくことができたのは、良かったなと思っている。