「あし細くない?」
私の夫(うつ夫)は、20代の頃のハードな生活と膝のケガをきっかけに、うつ病になった経験がある。
そんなうつ夫の「あるあるエピソード」を、ほんの少し紹介していこうと思う。今悩んでいる誰かの参考になれば幸いだ。
ガラスのハート
うつ夫は、ガラスのハートの持ち主だ。
誰かの何気ない一言でこころが砕けてしまうことがある。
一度こころに刺さるとその言葉はなかなか消えない。それは、周りから見れば流してしまえるような言葉でも、うつ夫にとってはグサッと突き刺さる一言なのだ。
特に、面と向かってではなく、ヒソヒソ話やボソッと出る一言。どうやらこれが心に引っかかってしまうらしい。
言った本人も無意識的に出た言葉だったり、何気なく言ってしまったりする言葉なので、ここがまた厄介な所である。
マンガで描いたエピソードは、スキニーパンツが流行った頃、うつ夫が初めて挑戦した時の話しだ。
うつ夫は細身でスタイルが良い方だ。だから、「足が細い」と言った女子大生は、きっとうらやましかっただけだろうと私は思っている。(私もうらやましい限りである。)
それに、「あしが細い」なんて、誉め言葉なんじゃないかと私は感じてしまうが、うつ夫にとっては違ったらしい。「あしが細い」なんて一度でいいから言われてみたいものだ。
ヒソヒソ話やボソッと一言に要注意!
うつ夫は、子供の頃にうわさ話の的にされていた経験があったらしい。それがトラウマになっているようで、ヒソヒソ話やボソッと一言にとても敏感だ。
そして、その一言をきっかけにフラッシュバックを起こし、昔の似たような記憶がよみがえってしまうのだ。そうなると、ずっと頭の中がグルグル巡ってしまう。
今では、随分と回復が早くなったものの、人の心無い一言がガラスのハートを砕くことはよくあることだ。
言葉に責任を。
うつ夫に出会って、「言葉には責任を持たなければならない」ということをつくづく思い知らされた。
人は、会話の材料として何となく他人のうわさ話をすることがあるが、この「何となく」がとても怖い。何となく言った言葉が人を傷つけていることがあるかもしれないのだ。
そして、「何となく」の裏には、本人も気づいていない本音(潜在意識)が隠れていることが多いものだ。
ずっと何も考えずに言葉を使ってきたが、改めて使う言葉を大切にしたいと思えたのも、うつ夫に出会ったおかげである。