うつ夫とパニコの人生いろいろ

これは過去にうつ病になった夫とパニック障害になった妻の物語。ゆる~い四コマ漫画とともに人生いろいろな日々をお届けします。

「スマホばかり見てる夫VSそれが許せない妻」の話。

「スマホばかり」

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 うつうつ期は、一日中スマホばかり見ているうつ夫。

我が夫(うつ夫)は、20代の頃うつ病になり、7年ほど闘病生活をしていた。

現在はほとんど回復しているのだが、このエピソードは、まだうつ症状がひどかった頃の話である。

 

うつ病と一言で言っても、いつも寝込んでいるわけではない。もちろん寝込んでしまうこともあるが、元気な時もあり、それ以外にも様々な症状の段階があるのだ。

 

詳しくはこちらをご参考に↓

utsupani.hatenablog.com

 その中でも、うつ夫には考えることや決断することができず、会話もまともにできなくなる時期がある。この時期を、パニコは「うつうつ期」と呼んでいる。

 

なぜか不愉快に映る「スマホばかり」

 「うつうつ期」になると、うつ夫は一日中スマホばかり見ていることがほとんどだ。

 

 この「スマホばかり」の姿が、どうもパニコの癇に障るのである。

 

もちろんうつ病なのだから、思うように身体も心も動かないことは承知している。

でも、なぜかスマホをいじっている姿は、元気なのに遊んでいるように感じるのだ(汗)

 

寝込んでしまっている時は「調子悪いんだな」と理解できるのだが、「スマホばかり」の時は「元気なのに遊んでる」「暇そう」に見えてしまう。

 

全く勝手なイメージであるが、傍から見ると、スマホをいじっている人は「暇そうな人」に映るものである。

  

同じ空間で「スマホばかり」は疎外感を生む

しかも、同じ空間にいるのにもかかわらず、スマホばかりに没頭されると、パニコとしては何となく疎外感を感じる。心は別の場所に行ってしまっているような不愉快さだ。

 

うつ病に限らず、「スマホばかり夫」に腹を立てている妻は世間でも多くいるようで、それが夫婦げんかの火種になっているという話もよく聞く。

 

つい「暇なら〇〇して!!」と声を荒げてしまいたくなる妻たちの気持ちも、パニコには良く分かるのだ(笑)

 

単調な作業をしていると思考が整理される?

ある時、うつ夫に「なぜスマホばかり見ているの?」と聞いてみた。(もちろん体調が良い時にだ。)

 

すると、こんな回答が返ってきた。

「単調な作業をしていると、思考が整理されるんだ」と。

 

スマホで動画を見たり、簡単なゲームをやったりしていると、絡まり合った思考の糸がほどけていくらしい。

 

もっとも、うつうつ期のうつ夫の頭の中は、絡まった糸のように思考がもつれ合い、上手く働かなくなってしまうのだとか…。

 

そんな時は考えたり決断したりすることが、ほとんどできないのだが、スマホでの動画視聴や簡単なゲームならできるのだそうだ。その理由は、受身で考えなくていいからだ。

 

この単調な様を「モノトナス」と言うそうだが、睡眠を誘うための脳のスイッチとして、『スタンフォード式最高の睡眠』の中でも紹介されていた。

スタンフォード式 最高の睡眠

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 単調な作業は、脳トレにはならないため、あまりいいイメージではなかったが、実は脳を休息させるために有効なのかもしれない、と改めて考えるきっかけとなった。

 

決断や考えることは脳の疲労を生む

もうひとつ思い出したのが、メンタリストDaiGoさんの話である。

 

人は物事を考えたり決断したりするのに、脳の前頭葉という部分を使っているらしい。そして、前頭葉を働かせる力をウィルパワーと呼ぶそうだ。

 

このウィルパワーは、一定の量が決まっており使うたびに消耗していくと言う。いわゆる、スマホの充電のような感じだろうか。

 

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思考や決断をするほど、ウィルパワーを消耗し、脳が疲労してく。

うつうつ期のうつ夫は、思考がもつれているため、もしかしてこのウィルパワーの消耗が激しいのかもしれない(汗)

 

だとしたら、ウィルパワーの消耗を節約するために、考えなくていい作業(モノトナス)を脳が求めているのではないか。

 

思考や決断の必要がない作業をすることで、脳を休息モードにしているのかもしれない。とパニコは推測した。(勝手な推測ではあるが…)

 

こう考えると、うつ夫の「スマホばかり」の理由も何となく納得できる。

それ以来、うつ夫がスマホを見ていても「あぁ、脳を休めているんだな」と思うようになり、以前のようにイライラが湧いてくることは無くなった。

  

「スマホばかり」も、ストレス解消法のひとつ

この経験により、「スマホばかり」見ているからと言って、それが一概に悪いと決めつけることはできない、とパニコは思ったわけである。

 

うつ夫の場合は、うつ病に由来する脳ストレスがある訳だが、日頃バリバリ働いている世の旦那さんも、きっと脳のストレスはあるはずだ。

 

特に、いつも思考や決断を迫られるようなお仕事をされている方は、仕事で頭を使っている分、家では考えたくないという人もきっと多いだろう。

 

もしくは、うつ夫と同様、考えることが苦手なタイプの人々が、考えなければならなくなった環境に出くわしたとすると、ウィルパワーの消費量は高い可能性も考えられる。

 

そう思うと、家で「スマホばかり夫」になってしまうのは、ウィルパワーの節約しようとする脳の反応なのかもしれない。

 

お互いの見解を確認することが、ぶつかり合いを防ぐ

だからといって、パニコは「スマホばかり」を推奨しているわけではない(汗)

やはり「スマホばかり」は、周りに不快感を与えていること否めないのだ。

 

必要なのは、自分の見解だけで相手を判断するのではなく、お互いの見解を確認することなのだろう。

 

今回のことがあって、パニコはうつ夫に疑問をぶつけてみて良かったなと思っている。

 

自分の見解だけでは、ただイライラするだけであったが、相手の意見を聞いてみることで、違う景色が見えてきた。

 

そして、うつ夫もパニコが不快に思っている気持ちを理解してくれるようになったのだ。

 

夫婦喧嘩というものは、本当に大したことのないことから発展することがしばしばだが、話をしてみれば案外許せることも多いものだ。

 

この一件は、「無意識のうちに、自分の価値観や見解を押し付けてしまっていることがあるんだな」と気づかせてくれ、夫婦の在り方を考えるきっかけとなったのだった。