「天パコンプレックス」
うつ病を通じて「コンプレックス」の捉え方が変わった
私の夫は20代でうつ病になり、7年間闘病生活を送っていた。
今ではほとんど、その症状は回復しており、人並みの生活を送ることができている。
パニコは、そんなうつ夫と10年ほど共に過ごしてきたのだが、うつ夫には闘病を通じて「変わったなぁ!」と思う点が多々あるのだ。
そのひとつが、コンプレックスの捉え方である。
本日は、うつ夫の変化のひとつとして、「コンプレックス」についての話をしよう。(ラーメンや魔除けの話ではないのでご注意を!)
天然パーマがコンプレックスだったうつ夫
うつ夫は、根っからの天然パーマである(笑)
これが、彼の最大のコンプレックスだった。
パニコがうつ夫に出会った頃、うつ夫はストレートパーマをかけていたので、最初は天パだと知らずにいた。(まだ結婚する前の話である。)
20代前半と言えば、やはり誰もが自分の容姿に意識が向くものだ。そして、自分にないものに憧れを持つ、そんな年代である。
うつ夫も当時は、自分の容姿を気にし、コンプレックスの天パを何とか隠したいと思い、ストレートパーマをかけていたのだった。
しかし、うつ病になってなかなか美容院に行けなかった時期があり、次第にうつ夫の髪はくるくると渦巻き始めたのだ(汗)
不思議に思ったパニコが「うつ夫って天パなの?」と聞くと、いつも「ううん、ナチュラルパーマ。」と返答されていた。
ナチュラルパーマ、つまりは天然パーマである(笑)
しかし、彼にとって「天パ」と言う響きが相当イヤだったのだろう(汗)
パニコ的には天パはフランス人っぽくてオシャレだと思っているので、なぜそんなに嫌なのか不思議でしかなかったが、とにかく、うつ夫にとって「天パ」がコンプレックスとなっていたのだ。
うつ病回復とともに、自分の嫌な部分を受容するようになった
しかし、うつ病が治り出すにつれて、このコンプレックスも次第に薄れていったのだ。
最近では、「天パの人に悪い人はいないんだ。」とアピールしてくるようになった。(『銀魂』というアニメのセリフなのだとか…。)
そう!うつ夫は、いつの間にか天パ愛好家になっていたのだ。
つまり、何が言いたいかというと(汗)
「うつ病の回復と共に、自分の嫌な部分を受容するようになった」ということである。
これは、大きな変化なのだ。
なぜ、変化したのか。これはパニコの推測でしかないが、うつ病になってしまった当初より自己肯定感が高まったのではないか。
それは、うつ病を通じて一度立ち止まり、自己を見つめ直す時間を持つことができたお陰なのだろう。
それまでは、周りの評価に軸を置いてしまっていたのだが、うつ病を通じて軌道修正をし、自分に軸を戻すことができたのかもしれない。
コンプレックスは他人と比べることで生まれる
人は、皆それぞれコンプレックスを抱えているものだ。ここで言うコンプレックスとは、アドラー心理学の「劣等コンプレックス」のことである。
こうした劣等感やコンプレックスは、他人と比べることにより生み出されるものだ。
人にどう見られているのか。人からよく見られたい。
誰にでもある心の働きなのだが、これが強くなってしまうと自己肯定感が下がり、自分を認められなくなってしまう。
自分で自分を認められないのは、非常に苦しいことである(汗)
コンプレックスは個性や強みになる!
しかし、よくよく考えれば、コンプレックスは自分の固定観念である。
見方を変えれば、コンプレックスは、もはやダメな部分では無くなるのだ。
世の中には、コンプレックスを個性や強みに変えて、活躍している人たちも大勢いる。
うつ夫もまた、天パを自分の個性と認め、「天然パーマに悪い人はいない」というポジティブなイメージに変換することに成功したのだった(笑)
私たち人間は、ほぼ思い込みでできていると言うが、確かにその通りだと思う。全く不思議だが、どう捉えるかで見える世界はガラリと変わるのだ。
自己理解を深め、他人軸から抜け出そう
他人の評価ばかりを気にして、自分を過小評価していては窮屈な人生になってしまう。
他人軸を抜け出し、より自由になるためには、自分で自分を知り(自己理解)、自分軸で自己を捉えることが大切だ。そのために必要なのが、「自分を見つめること」なのかもしれない。
うつ病は、そんなチャンスを与えてくれたのだった。
今ではチャームポイントとなった天然パーマ
こうして、天パコンプレックスを見事克服したうつ夫は、今では天然パーマがチャームポイント。
パニコは、うつ夫の天パを「いじりネタ」にしていたので(冒頭四コマの通り)、素直に受け入れられると若干つまらないのであるが(笑)、うつ夫が元気になったのだから、それで良しとしよう。
私たちは人生を通し浮き沈みしながら、何かきっかけがあるたびに自分を知っていくのだろう。
そして、ちょっとずつ心の角が取れていく。心が柔らかくなっていく。
きっとそういうものなのかもしれないなと、パニコは感じている。