『逃げ恥』再放送を見て。
先日、『逃げるは恥だが役に立つ』というテレビドラマが再放送されていた。
パニコは、あまりドラマを見ないのだが、どうやらこの『逃げ恥』は、かなり視聴率が高かったようなので、試しにちらっと見てみたのである。
確かに見てみると、おもしろかった。
何がおもしろいかと言うと、一般的な純粋恋愛ドラマと一味違って、ビジネス的要素が盛り込まれている点である。
それがきっと、今の時代に合っているのだろうな、という印象を受けた。
ビジネスでありがちな「やりがい搾取」
さて、このドラマの中で新垣結衣演じる主人公のみくりが、こんなようなことを言っていた。
「私は断固としてやりがい搾取に反対します!」
やりがい搾取。これは、パニコにとっても気になる言葉だったので、心に響いたのだった。
「やりがい搾取」とは、もとは東大教授の本田由紀さんの言葉であり、経営者が働く人にとってのやりがいを強調することで対価の支払いを免れようとする行為のことを指す。
パニコは個人事業でヨガのせんせーをしているのだが、パニコのように小さな個人事業者は、企業や社会団体と取引をする際に、こうした「やりがい搾取」的な目に合いやすいのだ(汗)
もちろん、仕事を頂けることはとてもありがたいことなのだが、自分の価値を自ら示していかないと、ボランティア扱いにされてしまうこともある。
そういう所から、パニコも「やりがい搾取」には断固として反対だった。
親しい仲での「やりがい搾取」
しかし、ドラマの中で最も興味深かったのは、これを恋人関係にも置き換えて考えていたことだ。
みくりは、これを「愛情搾取」と呼んでいた。
確かに、私たちはビジネス関係や社会団体の中では、ある程度の礼節をわきまえることができる。
けれども、親しい関係ではどうだろう?
不思議だが、親しい関係になればるほど、礼儀やマナーが曖昧になることが多いのではないだろうか。
もちろん、親しい分だけ信頼関係が成り立っているからこそだとも言えるが、知らず知らずルーズになっている部分もあるように感じる(汗)
例えば、我が家では、いつも夫がゴミ出しをしてくれるのだが、いつもしてくれる行為に対して「そういうもんだ」と慣れ切ってしまえば、いつしか感謝さえ覚えなくなってしまうだろう。
また、友人関係においても、仕事では遅刻せず行くのに、友達との待ち合わせは若干遅れてしまうこともある。
そこには、「友達だから許される」というルーズさ、甘えが少なからずあるはずだ。
親しいからこそ、してくれること、許してくれることが、あたり前になってしまったら、それこそ「やりがい搾取」「愛情搾取」になってしまう。
知らず知らず、相手の行為に甘えてしまっているのである。
こういうことは、きっと日常的によくあることだろう。
もちろん、信頼関係が構築されている仲だから、いちいち対価や報酬を発生させるのももおかしな話だが、そこに、感謝や礼節のこころが無くなってしまったら、元も子もないわけだ(汗)
親しき仲にも礼儀あり!
今回、『逃げ恥』をきっかけに、より身近なところで「やりがい搾取」を考えることができた。
そして、親しい間柄でこそ、知らず知らず「やりがい搾取」のような行為をてしまっていることにも気づかされた。
夫婦だから、友達だから、親子だから…と、ついつい甘えが生じてしまうことがあるが、してもらった行為に対しては、感謝とお礼の気持ちを忘れてはならない。
まさに、「親しき仲にも礼儀あり」である。
せっかくの親しい関係だからこそ、その関係にヒビを入れないよう、常に「人対人」の礼節をわきまえておきたいものだと感じた。