引き続き、うつ夫が心掛けていたコミュニケーションの話である。
本日は、「前置き言葉」について。
柔らかさを出す「前置き言葉(クッション言葉)」
以前の話では、「雑談」と「共感」について触れたのだが、この「前置き言葉」というのも、コミュニケーションを円滑にするための重要なカギなのだ。
ここで言う「前置き言葉」とは、広い意味で、話のはじめに用いる言葉を指している。
イメージしやすいのは、きっと、「失礼ですが…」とか「お手数かけますが…」などのようなクッション言葉だろうか。
こうしたクッション言葉は、言いにくい事やお願い事を伝える時に、非常に役立つ。
相手への配慮が伝わるため、角を立てずに柔らかい雰囲気を出すことができるからだ。
↓「前置き言葉」で配慮を添えると
とてもさりげない一言だが、「前置き言葉」があるのと無いのでは、随分と伝わり方が変わるから不思議である。
自分の視点を伝える「前置き言葉」
さて、うつ夫が心掛けていたのは、こうしたクッション言葉に加え、「自分の視点を示す」ための「前置き言葉」だ。
例えば、「〇〇の立場から言いますと…」とか「△△の視点から考えてみると…」などのように、今自分がどういう視点から物事を捉えているのかを、相手に伝える言葉である。
他にも、「ひとつ抽象化してみると…」や「長期的な目線で見ますと…」のようなニュアンスの言葉も含まれる。
いずれも、相手と目線をそろえるための一言だ。
視点や着目点が違うと話がかみ合わない
なぜ、このような言葉が必要なのかと言うと、お互いの視点や着目点が違うと、話がかみ合わなかったり、対立してしまったり、というトラブルになり兼ねないからだ。
事実、うつ夫自身、そういう経験を多々していた。
というのも、彼は別の視点(観点)で物事を捉えることにおもしろさを感じる人間なのだ。
様々な視点から見る方が、新しい発見があっておもしろい!というのが彼のスタンスである。
しかしそのせいで、よく人とは違う見解をぶち込んでしまい、批判の的となってしまうことが多いのだった(汗)
そんな経験から、うつ夫は考え、辿り着いたのがこうした「前置き言葉」だった。
自分の見解を話す前に、相手と目線をそろえておくことで、会話がスムーズになりやすい!と気づいたのだ。
「前置き言葉」で相手の目線を誘導する
例えば、相手が国語の教科書を見ているのに、算数の話をしたらどうだろう。
きっと相手は、チンプンカンプンになるに違いない(汗)
算数の話をするなら、国語ではなく、算数の教科書に目を移してもらう必要がある。
そのための誘導が「前置き言葉」なのだ。
そもそも人は、別の視点で物事を捉えるのは苦手なものだ。(うつ夫のような人は、きっと珍しいだろう(汗))
増してや、自分が見えている部分が全て!と思い込んでしまう傾向がある。
そこを上手く解消しなければ、話は円滑には進まない。
よく、テレビやセミナーなどで上手に話をされている方は、このような「前置き言葉」を巧みに操っているなと感じる。
さりげない前置きの一言で、一般的な視点、相手の視点、そして自分の視点を明確にしながら、聴衆の目線を見事に誘導していくのだ。
聴衆は、いつの間にか話し手の見せたい世界へと自然と導かれていく。
もし、話し手と目線がそろっていなかったら、「何言ってるの?」と反感を抱いてしまうところだが、同じ世界を見ていたら、イメージしやすく、「そういう考え方もあるのか。」に変わっていく。
「前置き言葉」は相手への配慮
目線をそろえる「前置き言葉」。
以前はまったく意識してなかったが、こうして考えてみると、とても重要なのかもしれないと改めて感じる。
「前置き言葉」を使うことは、決して独りよがりでは無く、コミュニケーションにおいて相手を配慮することにも繋がるのだろう。
こうした心掛けは、きっとお互いにとって有効な気がする。
うまく使えるかどうかは別として(汗)、パニコもほんの少し意識してみようと思う。
またうつ夫から、ひとつ学ばせてもらったパニコであった。