うつ夫は、うつ病を克服した今でも、度々うつうつに襲われることがある。
うっつー君は、うつ夫の前から完全に消え去ったわけではないのだ(汗)
でも、現在は、昔のように鬱状態が長引いたり悪化したりすることはなくなった。
今は、半日もすれば、ほとんどその症状は回復しているようにパニコは思う。
その理由は、おそらく、メタ認知力が高まってきたからだろう。
※うっつー君の関しては次の記事をご覧ください。↓
めぐる思考をメタ認知
うつ夫の前にうっつー君が現れるのは、大抵疲労がたまっている時や寝不足の時である。
その際、頭の中で思考がぐるぐると巡ってしまうのだと言う(汗)
特に、昔の嫌な記憶がよみがえると、自動的に次々と関連する記憶が引き出され、うつ夫の脳を支配していく。
そして、感情がそれに引っ張られ、鬱状態を引き起こしてしまうらしい。
でも、最近はそういう時の自身の状態に気づけるようになってきたようだ。
その証拠に、思考がめぐってしまう時や、過去に引っ張られてしまう時は、パニコにそう伝えてくれるようになった。
それは、うつ夫が自分自身をひとつ客観的に把握している、すなわちメタ認知しているということだろう。
デフォルト・モード・ネットワーク
調べてみれば、思考が自動的にめぐってしまう脳の状態のことを「デフォルト・モード・ネットワーク」と言うらしい。
これは、人が意識的に何かに集中している時ではなく、無意識でいる時に起こりやすい「脳のアイドリング状態」とも言われている。
マーカス・レイクル博士の研究によれば、この「デフォルト・モード・ネットワーク」は、何かに集中している脳の状態の、なんと20倍ものエネルギーを消費しているのだとか!
そして、これこそが脳疲労をもたらす原因のひとつと考えられている。
意識的に集中している時より、無意識でいる時の方が、エネルギー消費が激しいというのは、少々驚きだった。
しかし、よくよく考えれば、無意識でいる時に、外から入ってくる情報にいちいち反応して、あれこれ考えてしまう、言わば意識散漫な状態というのは、確かにエコじゃないのかもしれない(汗)
「気づく」ことで思考にとらわれることを回避
この「デフォルト・モード・ネットワーク」を抜け出すために、よく紹介されているのが、マインドフルネスや瞑想などである。
つまり、意識を「今・ここ」に集中させるということだ。
しかし、その前に必要なのは、脳が「デフォルト・モード・ネットワーク」の状態にあると「気づく」ことである。
つまり、メタ認知が必要なのだ。
案外、自分自身の状態に気づくことは容易ではない(汗)
特に、思考や感情は目に見えないし、自分と一体のものだから、尚更気づきにくい。
しかし、気づかなければ、知らず知らずめぐる思考にとらわれ、あっという間に感情も引っ張られてしまうわけだ(汗)
でも、
「今、思考がめぐってしまっているな。」
「これは自動的な脳の働きだ。」
「ただ昔の記憶が流れているだけ。」
などと、客観的に把握できさえすれば、思考と感情を切り離すことができるかもしれない。
そして、この状態に気づいたら、何か別の集中対象をつくることで、「デフォルト・モード・ネットワーク」を抜け出すことができる。
うつ夫の場合は、どこかに出かけたり場所を変えたりと、気分転換をすることで、「デフォルト・モード・ネットワーク」を抜け出している。
それでも上手くいかないときは、動画やゲームの世界に入り、モノトナス的(単調な)集中状態を生むことで回復を図っているそうだ。
客観的な視点が自分を自由にする
メタ認知、それはすごく難しいことではあるけれど、心のとらわれを軽減するために、とても重要なことなのだと思う。
私たちは、常に自分の心のフィルターを通して世の中を見ているのだから、心がとらわれていたら、見える世界も歪んでしまう(汗)
だからこそ、常にひとつ客観的な視点を持っておくことは、自分自身をより自由にするために有効だ。
それは、心の病を通じて、うつ夫とパニコが学んだ大切なことである。