心配 ばかりしていた頃。
「心配するより、応援してほしい。」
これは、まだうつ夫とパニコが結婚する前に、うつ夫が伝えてくれた言葉である。
当時、彼はまだうつ病闘病中で、 パニコは、そんなうつ夫を心配ばかりしていた。
パニコはもともと心配性で、つい不安なことに心が引っ張られてしまう性格だった。
しかし、 うつ夫が不調期になると、連絡がほとんど取れなくなってしまうのだ。
そうなると、さらにパニコの不安はつのり、何度もメッセージを送りつけてしまうということが、以前はよくあった(汗)
今思えば、不調期のうつ夫としては、さぞ迷惑だったことだろう(笑)
ただでさえ、うつうつして頭が働かないのに、何度もメッセージが送られてきたら、余計に気が滅入ってしまう(汗)
それでも、パニコとしては何とか自分の不安を解消したくて、いてもたってもいられなかったのだ(汗)
心配は相手の足を引っ張る!?
しかし、ある時、うつ夫にこう言われた。
「心配するより、応援してほしい。」
正直、最初は、この言葉の意味が理解できなかった。
なぜなら、(心配性の家庭で育った)パニコにとって、「心配」は愛の形のひとつだったからだ。大切な人だからこそ、心配するのはあたり前!ぐらいに思っていたのである。
けれども、よくよく考えてみると、心配とは、自分の勝手な不安を相手に押し付けている、とも考えられる。
それに、相手を思いやっているようでいて、実は相手の未来を信じていない、ということでもあるのだ(汗)
勝手に悪い未来を想像し、そうならないように願う。でも、悪い未来を想像している時点で、意識はそちらと繋がり、マイナスのエネルギーを生み出してしまう。
そのマイナスのエネルギーは、きっと相手にも伝わってしまうだろう。
つまり、心配は、相手の足を引っ張ることにもなりかねないのだ(汗)
応援は相手の未来を信じること
逆に「応援する」ということは、相手の未来を信じ、良いことに心を注ぐ ということである。そのことに気づいた時、パニコはとても衝撃的だった。
確かに心配な気持ちは生まれてしまうけれど、心配事に心をつなぐよりも、もっと良いことに心を注いだ方が、ずっと幸せでいられる。
相手の未来を信じ、上手くいっているイメージをする。
その方が、遥かに建設的で、ずっと相手のためになるはずだ。
それは、相手に限らず、自分のことに置き換えても同じである。
心配事に心を注ぐより、自分自身を信じた方が、心が強くなりポジティブになれるのだ。
心配するより信じよう!
そう言えば、以前読んだ『感情を整えるアドラーの教え』(岩井俊憲著)に、このようなことが書かれてあったのを思い出した。
それは、「心配の ぱ を ら にして、信頼に変えよう。」というような内容だった。
なるほど、いい考えだな!と思ったものである。
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うつ夫の言う「心配するより、応援してほしい。」とは、きっと、そういうことなのだろう。
心配ではなく信頼する。そのことが少しずつ理解に変わり、パニコは心配事に心を悩ますことが、以前よりずっと減ったのだった。
心配になることはもちろんある。
でも、それに気づいたら、「大丈夫!」と、自分で意識の矛先を良い方へと変えるようにしている。
そうすれば、大抵の場合、良い方向に向かうことも分かったし、自分で思っているほど、心配事は起こらないものだと知った。
パニコはもうすぐ出産を控え、正直不安が無いとは言えない。
でも、自分の自然の力と赤ちゃんの力を信じていれば、きっと大丈夫!
そう思うことで、心がぐっと強くなれるから不思議である。
「心配するより、信じること!」
これは、パニコの心を強くしてくれる魔法なのである。